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​マンガ制作のポイント_Vol.1

~​読者層に合わせたタッチ~

 

【読者層によって「ウケるタッチ(画風)」が異なる!?】

 

商用マンガは、企業や官公庁のリーフレットやブックレット、WEB媒体などで多用されています。

イラストやマンガは視覚的効果が高く、「目立つ」「わかりやすい」「理解されやすい」「雰囲気が良くなる」ことが主な導入の理由です。

ところが、一方で見落とされがちなのが、「訴求したい読者層に合わせたタッチで制作されているか?」という点です。

単純にイラストや漫画を使用すれば、テキストや写真のみの紙面より「親しみやすさ」「わかりやすそうな雰囲気」にはなりますが、「採用したイラストやマンガが、どのような読者層に刺さるタッチなのか?」という、大変重要なポイントについて、制作依頼者や制作者が研究せずに漠然と「マンガ家が描ける絵」を使用しているような事例が多くみられます。

せっかくマンガを活用するのに、対象としている読者層が興味をもたないようなタッチで描いたのでは、効果が低くなってしまいます。

「狙いを定めた読者層にウケる(刺さる)タッチはどれかなのか?」を考慮してマンガを導入すれば、「親しみやすさ」「わかりやすさ」だけでなく、読者を「読みたい」「内容を知りたい」という気持ちにさせる訴求力が生まれます。

【実例解説「小学生に受ける絵のタッチ」を制作側が勘違いしている?】

例えば、「小学生をターゲットとした印刷物」ではどうでしょう。

官公庁が無料配布している印刷物で使用されているものと、出版社が販売している書籍に使用されているイラスト、漫画の「絵のタッチ」の違いについて、事例をもとに見てみましょう。
 

(A)官公庁の無料印刷物に使用されている小学生向けリーフレットのイラスト例

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農林水産省:「くらしにいかそうJASマーク」

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金融庁:「くらしと金融」

(B)売れている小学生向け学習教材書籍の絵柄例

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集英社:学習まんが日本の伝記「織田信長」

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ナツメ社:「音楽の伝記」※Amazon売れ筋ランキング入り

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ポプラ社:「動物探偵ミア」

前者(A)の官公庁が発行している無料リーフレットは、詩的に表現すると牧歌的で、大人が考えている「小学生にわかりやすそうなタッチ」のイラストであるのに対して、

後者(B)の、各出版社から刊行され商業誌として実際に売れている「実際に小学生自身が好んで手に取る書籍のイラスト」は、Aに比べてもっと「攻めた漫画タッチ」となっています。

 

官公庁のリーフレットに使用されるタイプの絵柄でマンガ書籍をつくっても、「小学生の孫に本をプレゼントしたい祖父・祖母世代」には手に取られる可能性があるかもしれませんが、小学生本人やその親世代にはウケづらく、訴求力はかなり落ちてしまうでしょう。

 

学習教材や児童文学などは、そもそも「カタくて難しそうなもの」「とっつきにくそう」なものが多いため、「内容の難しさ」や「興味が湧きにくい」というハードルを越え、販売数を増やすには「楽しそうなイメージで描く」という工夫が必要です。

そのために採用すべきなのが「小学生が思わず手に取る吸引力のある絵=極端なマンガタッチ、ゲームイラストタッチの絵柄」となります。

 

その他、特に爆発的に人気なのが「ドラえもん」や「名探偵コナン」(小学館)「ちびまる子ちゃん」(集英社)、「おしり探偵」(ポプラ社)などの、既存の人気漫画ブランドのキャラクターが「とっつきにくい内容」をアテンドする学習教材シリーズですが、人気漫画ブランドではなくても、「エッジィなイラスト」であれば興味を持って手に取ってもらえると可能性は十分にあります。

【若者に「とっつきにくい文庫」を、イラストやマンガで爆発的な売上にした例】

 

ちなみに、若者の「活字離れ」が問題視されていた1990年頃、集英社が国文学の文庫を爆発的に売上げて話題になった企画があります。
名作の内容はそのままで、表紙を、若者に好まれる人気漫画家が描く「エッジィなイラスト」に変更したのです。
ターゲットは主に「中高生~20代」ですが、太宰治の「人間失格」の文庫が1か月半で75,000部を売り上げ、国文学文庫市場の「異常事態」と言われました。同時に、他の「漫画家表紙」タイトルも異例の売り上げとなりました。

 

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集英社文庫:「太宰治:人間失格」

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集英社文庫:「芥川龍之介:地獄変」

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集英社文庫:「太宰治:走れメロス」

『国文学』というカタい作品を、「活字離れ」の若者に対して、表紙のマンガ絵だけでその内容までイメージさせて手に取らせる…という役割を果たしたのが「いまどきのマンガタッチ」なのです。
魅力的で何かありそうな表情やシーン…ひと目でアピールしてくる(訴える)「漫画タッチ」の効果です。

経営学のカリスマであるドラッガーの「マネジメント」を新鮮な切り口で読み解いた書籍も話題になりましたが、社会人向けにも「難しい内容を漫画で読み解く」類似書籍が続々刊行され、現在はひとつのジャンルのようになっています。

採用活動を積極的に行う企業では、「新卒者向け」に会社案内リーフレットやブックレット媒体等を制作していますが、「企業紹介」という学生にとって「カタい内容」のツールを最大限活用するためのコンテンツとしてもマンガは大変有効です。
但し、「手に取ってもらう」「理解してもらう」というファーストアプローチを成功させ、「自社に興味を持ってもらう」「就職してもらう」という成果を出すためには、官公庁などでされている無難なイラスト絵ではなく、
「若者向けのエッジィなイラストやマンガ」を採用することが一つの効果的な方法かもしれません。

 

【その気がない人でも「なんとなく読んでしまう」マンガの効果】

 

世の中にはテキストや写真がキレイに使われている印刷物が溢れていますが、例えば、銀行で無料リーフレットが並んでいたとき、イラストや写真のリーフレットの中に、ひときわ目立つ「エッジィな漫画」で描かれているリーフレットが見えたらどうでしょう?

非常に目立ち、テキストだけの読み物と違い「すぐ読めて」「ちょっと面白そう」に見えるので、多くの方がなんとなく手に取り、見ているうちに興味を持って読まれる可能性があります。

よくある無料リーフレットのような無難なイラストや対象者にウケない漫画絵ではなく、「エッジィな漫画タッチ」という時点で、若者から「他社と違う」「面白そう」「自分たち世代を理解している=信用出来そう」というイメージで捉えてもらえる可能性があります。

【有名な漫画家に描いて貰えればインパクトあるけど・・・】

 

「エッジィな漫画タッチ」のマンガを導入するには、実際にターゲットが購読している商業誌で漫画を連載していたり、単行本を出しているプロの漫画家に依頼するのが一番ですが、一般的には「料金が高額」になりがちだったり、そもそも一般的な制作会社経由の依頼では「描いてもらえない可能性が高い」という問題があります。

当社では、有名雑誌や単行本で活躍している漫画作家による「株主通信」「招集通知」「会社案内」「採用ツール」「WEBコンテンツ」「パンフレット」等でマンガを多数制作していますので、​ビジネスマンガやツール制作に関するご不明点やお悩みなどがございましたら、ぜひお気軽にお問合せ下さい。

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